ゲド的叙情詩 6
この物語にあらわれる魔法使いとはなんでしょうか。
まず第一に彼らはこの大洋でできた世界での、すぐれた航海者です。
風や水の性質を知り、それを上手に利用できるものたちです。
彼らはまず、自然現象をよく観察し、その力や方向をある程度変えることができます。
一番得意なのは、目くらましの術です。
霧を発生させたり、姿を変えたり、人々の前に絢燗豪華な光景を現出してみせることができます。
これは人々の錯覚を利用した小さな技術です。
ちょっとした心理学者や、ものごとの流れをよく見る識者ならば、現在でもよく行なうことでしょう。
すぐれた実業家なら、ものの流通の方向や、はやりすたりのリズムが見抜けるでしょう。
世事にたけた人なら、仕事の上でたくみに相手の盲点をついて、他人を煙にまいたり、はったりをかけたり・・・。
めくらましの術を使って、相手とかけひきをするのは、日常茶飯事なのです。